2013年度動物看護師統一認定試験(マークシート方式) 試験結果
受験者数:3,798人
平均点:94点(140点満点)(67.1%)
合格者数:2,742人(84点(正解率60%)以上)
合格率:72.2%
2月16日(日)、全国11会場で動物看護師統一認定機構主催のマークシート方式試験を実施いたしました。2月14日から降り続いた大雪により、250名を越える方々が試験会場に向かうことができず、代替試験(再試験)の対象者になりました。代替試験(再試験)は、3月23日(日)、及び6月22日(日)に行います。
今回の受験者は昨年の受験者4,660人より860人余少ない3,798人でした。合格ラインについて、正解率60%(140点満点の84点)以上を「合格」にすることはすでに決定しており、かねてより公表していました。この時点での合格者は2,640人(合格率69.5%)でした。
しかし、実地筆答問題の問13の「経口ゾンデ」(正答率20.8%)は、犬や猫で用いることはほとんどなく、ハムスターやモルモットなどの小動物に用いられるケースが多く、胃内への投薬や給餌に使用します(正解は②)。また、問17の「膀胱の陰性造影」の問題の正解は「⑤空気」です(正答率16.4%)。この問13と問17は正答率が低く、いわゆる「難題」であったかも知れません。したがって、この2問を全員正解としました。
その修正の結果、合格者は2,742人になりました(合格率72.2%)。
昨年のマークシート方式・CBT方式試験を合わせた合格率81.2%より、かなり低くなりました。昨年は、正答率の低い問題を多く削除し、合格ラインの修正を施しましたが、決して好ましいことではありません。批判もあり、また深い反省から、『何(どこ)から出題したか』を明確にするために、狭い範囲から問題を選ぶことになり、受験者には不公平感を与えてしまいました。心からお詫び申し上げます。しかし、事前に問題が漏れるようことは断じてありませんでした。
また、一般筆答問題のうち、正答率の低かった問2「ホルモンとその分泌器官の組み合わせ」(正解は③)について、正しくマークできないのは、「ホルモンとは何か」について、正確に学んでいないことが考えられます。生体のホメオスタシスは神経系とホルモンなど液性系の2つの機構で維持されています(正答率24.4%)。きわめて重要な問題です。皆さんのさらなる精進を願ってやみません。
高等学校や大学など入学試験の問題は、いわゆる「教科書」から出題されます。残念ながら、動物看護学分野は、こうした教科書が未整備な状態です。動物看護師統一認定機構は「出題範囲」を公表しています。「出題範囲」を網羅した参考書はいくつか出版されています。是非、参考にしてください。
試験運営小委員会座長(副機構長)
太田光明(麻布大学獣医学部教授)